「『にじんだ星をかぞえて』には泣いた」

 朝日新聞10月1日、15日、22日夕刊に連載された、上原隆による『にじんだ星をかぞえて』(「白血病」上、中、下)には、感涙を催されました。

 それは、31歳から35歳の現在に至るある男性の、白血病発病、それを治すための造血肝細胞移植、それによる合併症発病、薬の副作用による糖尿病発病、うつ病、閉塞性細気管支炎、骨粗鬆症白内障、これらの発病と、それを支えた家族の物語です。

 ご主人の肺の移植手術の話が出た時が、奥さんには一番辛かったという。
 「あの時も私が泣きくずれてしまって、先生が『同じ血液を持ってるのは奥さんとお兄さんだけど、肺を分けてくれるかなあ』って、私がうなずいたら、先生が彼に『いい人でよかったね』って、先生も泣きはじめて、彼も泣いて……」

 “泣くことでしか耐えられないことがある。”
 真実の、言葉です。