「ご祝儀」

 昨夜は、新橋の居酒屋さんで落語を二席勤めました。
 芸人の端くれですから、ご祝儀をいただけば、当然ながら嬉しいものです。

 ご祝儀をきるお客様には、どうも二つの属性があるようです。
 ひとつは、あぶく銭といって悪ければ、急な不労所得が入った直後のお客さん、とでもいえばいいのでしょうか。そんな具合にお見受けするお客様が、ひとつの属性。

 もうひとつの属性は、決して豊かではないようにお見受けするのに、なぜか、祝儀を切りたがる方。
 ぼろぼろの身なりなのに、なぜか、ご祝儀を切りたがるのです。
 芸人をみて、「こりゃ、おれよりも、貧しいのだな」と一人合点するせいでしょうか。